共鳴


冷たい雨と重い雲。
冷える空気と手の温度。
長いようであっと言う間だった
ひとつの季節の終わり。


若く 強く 
生まれたばかりの葉が萌えるころ。
初めての光をもらい

梅雨の雨雲は
わたしの代わりにたくさん泣いた。

やがて南の風と大きな太陽が
雨を遠くへさらって
わたしを包み込んだ。

わたしのものには決して出来なかった。
大きすぎたひかり。

それをもう何度
雲に隠されては色を失い
立ち尽くしては振り返ったのだろう。

長い昼の裏側で
ほんの少しだけ夜を切り取った。
大切な時間を。


傷も負った。
笑顔ももらった。
たくさん悩んで
想いを吐き出して
それでも迷って
何度もつまづきながらそれでも
歩いていたから。

この目で見たもの。
もらった想い。
この腕で抱き締めた時間。
疑いと痛みと人のこころ。
現実。
夢。
願い。

余りに綺麗で
時に醜く
こころに響く
歌のように。
人の想いの数だけ
共鳴するこころ。

そんな夏の終わり。
残されたものはこの場所に
いつまでも。

たとえこの手が凍えてしまっても。







SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送