痛み


月さえ見えなかった。
静か過ぎる夜。
あの日のように
優しい雨が肩を濡らしていた。
どうして大雨になってくれないの?

見上げても何も見えない。
雲に隠された光の粒。
一体どこに行きたかったんだろう。
まるで吊り橋のように
不安定で危ういだけの思考で。

こころのままに生きたかった。
何故自由になれない?

泣きたかった訳じゃない。
一人になりたかった訳じゃない。
悲しかった訳じゃない。
どうしたかったのか分からない。
歩いていた?
思っていた?
何を考えていたんだろう?
何も考えたくなかった。

張り詰められた糸たちが
ほんの少しのきっかけで声をあげた。
聴こえない不協和音が
ココロに直接突き刺さる。
そんなの聴きたくないのに。

自己中になりきれなくて
自分を守りきれなくて
人の痛みに共鳴して
ココロを痛めている。
刃物のように
漂う空気さえココロを刻み続ける。

カラダの痛みは全てを忘れさせてくれる?

もし
わたしが傷付けば済むことならば
それでもいいわ。
傷付くことも孤独も
大丈夫。平気だよ。
それで済むならそれでいい。

全て捨ててしまえばいいの?
逃げ出してしまえば。
必要と言うならそうするわ。
わたしが傷付いて
たったそんなことで済むならば。

こころのままに生きたいのに。
涙なんて出ないのに
泣きたい。
泣きたいよ。









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