夜が明ける


それは
ひとつの言葉で十分だった。
目隠しされたように
奪われるかたち。

目が眩んで
何も無くなった。
残ったのはたったひとつ。
それが全てだと思った。
こころの中心にそれを据えて
もう何も見たくなかった。

この空気中に
かろうじて保たれたこころは
ひとつだけ抱えて
わたしの内に
眠る。

ひとつの言葉に
何度も息を奪われて
こころを痛めた。
それしか見えなかったから
自分のかたちも忘れてしまった。

何故解らなかったんだろう。
身を焦がしても
何も得られなかったのに。
何故気付けなかったんだろう。
自分を失ったら
何も残らないのに。


遠くから呼ぶ声に
目を覚ましたとき
そこは巨大な宇宙の下。

この世界のあらゆる想いは
いつかかたちとなって
わたしの手の中に。
本当はあらゆる可能性があった。
ひとつじゃないんだ。

何度も立ち止まって
何度も振り返って
何度も周りを見て
過ちに気付いて
後悔する前に。
深い傷を負ってしまう前に。

夢を見たままのこころが
目を覚ます。
そのとき笑っていられるように。

幸せになろうよ。









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