水無月の雨
曇りの日だった。 泣き出しそうな空だった。 泣いてしまえば楽になるのに。 いろんなことがあるたび 何度も何度も思った。 我慢することが いつの間にか当たり前になって 強い人を演じて ほんとは馬鹿みたいだって分かってたのに。 もう 雨は降らない。 空が代わりに泣いて。