凍えそうな　手。


あなたが見えない。
どこにいるの？
あんなに近くにいたのに
離された　手。

あなたがいない。
こんなに怖い。
もう会えない？
回る　回る　空の下。
ひかりが見えない。
あなたはいない。

地面に崩れ落ちて
這うようにあなたを想う。
ここから救い出して。
あの時そうしてくれたみたいに。
ここには何も残ってない。

ほんの少し前まで
確かにあったものが
急に見えなくなる。
こんなに怖いなんて。
こんなに辛いなんて。
ここで途切れてしまう？
それともまだ続くの？
所詮一時の夢でしかなかったの？
現実は音も立てずに忍び寄ってた。
覚悟なんて
まだ持ててなかったのに。
凍えそうだよ。

あなたがいない。
ひかりが見えない。
空っぽの
離されたままの　手。