ひとつき
雨が降ってる。
もうすぐ梅雨が明ける。
肌寒い7月の中盤。
薄暗い部屋の中で。
窓を閉める。
雨音が遠くなる。
コンポから流れ出た音が
小さなこの部屋を浸していく。
揺れながら。
漂いながら。
静かにただひとりここで。
震える手で自らを暖めている。
色のついた世界は
ほんの少し悲しかった。
太陽が隠れて
灰色の街に立ちすくむ。
無駄なものなんてひとつもない。
この一ヶ月が無駄だったなんて思わない。
食い潰されるだけの時間なんて持ちたくない。
辛くても
寂しくても
息が出来なくても
ただ耐えていたわけじゃない。
もう解放する準備は整ってる。
今更なんて言わないで。
本気なら証明して見せて。
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