砂の女


いい子にしてれば
頭を撫でてもらえて
ときどき 可愛がってもらえるから
それでいいと思った
望むことは罪だから

にこにこ笑って
物分りのいいふりして
あなたの出方を伺って
こちらを向いてくれなければそれでもよかった

馬鹿みたいに
磨り減るばかり



本当は欲しかった
欲しくてたまらなかった
あなたみたいに
ヤサシクシテクレルヒト

ただ 欲しかった

隙間だらけで
今にもバラバラになりそうな
この軋むココロを
固く
きつく
この世界に
押し留めてほしかったの

その瞬間だけは
必要とされてるはずだから


ああ
あなたが離れていくのがわかる
にこにこ笑って
また戻ってきてくれるって
諦めながら期待しているの

ゆるやかに枯れていくような
こんな生き方
間違ってるかな
















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