カゲロウの夜
そうして灯りを落として
冷えた指先で捉える
その輪郭と いのちのおと
確実に磨り減ってゆくのは
ふたりに残された時間
どれほど願っていても
永遠などはじめから存在しない
愛しい人
どうか悲しいことを言わないで
意味がないなんて思わないで
どうか生きていて
そしてどうか 今この瞬間
もっと強く 抱きしめていて
此処に居る
証を残して
道の途切れる瞬間まで
せめてこのまま
途切れぬ祈りの声を
ただひとつの願いを
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