海鳴り


それが世界の全てだったころ
わたしは大切なことを学び
大切なものを見誤った。

選べなかった。
それはいつも 指をすり抜けて。


誤った選択だった?
見つめた世界は鈍い痛みを伴い
保つ腕は 目は
いつしか風化してしまいそうで。

選んでしまった。
もう引き返せなかった。
だけど砂は まだ落ち続けていたから
このまま
見ないふりのまま
聴こえないふりのまま
どこまでも行けたら きっと
あなたの側に ずっと居れると思ってた。
まだ もう少し 居たかった。
その場所しか ないと思ってた。



淡々と 静かに。

やがて形を変えた光は
今も辿った道筋を照らしている。


嵐のあとに
地べたを這う砂の言葉は
もう腐っていたと知った。

それは前兆だったのだろうか。
その音は。
その痛みは。












SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送