夜と傘と子ども


ビニール傘と夜の隅っこ
ぱらぱら雨音とひとりぼっち

雲の上のお月さま
どんなカタチをしてたかな
今は街灯のあかりから
逃げるように座り込んだ

眠りゆく街の闇でかくれんぼ
だけど願いはひとつだけ・・

もういいよ
ここにいるよ


濡れた靴と冷えた手のひら
何がなんだか分からないまま
飛び出した独りの部屋

ポケットにはひとつだけ
繋ぐための期待を持って
あてもなく　彷徨う子ども

こころには　ただ一人のいとしいひと
怒りのような　呆れたような　顔をして


あたし　ここにいるよ
ねえ探して　ここにいるから

幼い瞳
ただ一人を待ってた