夜鳴き風


わたしがこんなにも寒さに弱い人間だったとはね。
今更ながらに実感してる。
全てが冷えていたあのころは
そんなこと気にしなかったのにね。

あたたかい あたたかい 空間。
やわらかな 居場所。
みんながいて わたしがいて
たったそれだけの  しあわせ。

いつの間にか それが当たり前になった。
自然に笑えることが嬉しかった。
あたたかい わたしの居場所で。


いつだったろう。
新しいひかりに触れた日。
急に
失うことが怖くなったの。
冷えた夜が
いつの間にか背中にぴったり貼り付いてた。

音も立てずに這い上がってくる。
不安と言う名の夜。
ざわざわと枝を揺らして
こころを掻き乱す。

気付かれないようにいるよ。
まっすぐその目を見据えて。
弱さを見せる時じゃない。
多分今は まだ。


でも もう 凍えてしまいそうよ。

こんなに寒さに弱くなったのはどうして?
答えは分かりきってる。











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