訣別の理由


そこまで聞き分けのいい子にはなれなかったよ。
どんなに綺麗な言葉を並べても
結局決定打は負の感情だったのです。

そうでもしなければ無理だったもの。
優しいひと。
大好きだったひと。
綺麗なままの思い出を少しづつ黒く染めることで
あなたからこころを引き剥がした。
そうでもしなければ無理だったのよ。

もう　苦しみたくなかった。
完全に終わりにしてしまいたかった。
だから・・・


ほんの少し根拠を付け足しただけよ。
真実は誰も知らない。
わたしが何を信じるか次第。
それはずっとタブーだって思っていたこと。

それでいい。
それでいい。
完全な解放のために
必要なことだったの。


ささやかな最後の願いは届かずに
もう永遠に叶わない。
こころはなくなってしまったのだから。

今はちゃんと
確かなしあわせを持っているから。
大丈夫だよ。
今度こそ本当に。
繰り返す理由はもうないからね。