幸福パレット


まだ・・・言葉にできるほど
カタチがあるわけじゃない。
曖昧だけど
確かに違うものがうまれた。
白に溶けていくようだったよ。

離れて
立ち止まった。
まわりを見たら
同じはずの違う色たち。
ひとつに執着していたこころを
いろんな色に染めてくれた。
時間はこんなに
ゆっくりと流れていて
とても優しかった。
今更気付いたよ。

あのころはそう
目まぐるしい変化に翻弄されて
何度も擦り傷を作って
置いていかれないように
ただ必死で・・・。
決定権を持たないこの手では
それが精一杯だと思っていた。
ひとつだけ
結局ひとつだけ追いかけて。
色を失っていたことに
喉も枯れかけていたことに
どうして気付けなかったんだろう。

離れた。
立ち止まった。
だからここで気付いた。
可能性と無限の色。
今更かもしれないけど
今だったら・・・
違う結果だったかもしれないね。


可能性は
きっと尽きないから
それが黒であっても
わたしは受け入れよう。
そして選び取ろう。
決定権は・・・ちゃんとこの手にあるよ。
幸せになりたいんだ。